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ベルターンス活躍の前半戦 締めくくりはオールスター・ウィークエンド

先週の木曜日、ウィザーズはホームでのダラス・マーベリックスとの試合前日に練習を行った。正午過ぎに全体練習を終えた選手たちは各自ルーティーンの自主トレに散らばっていった。トレーニングルームに行く者、治療を受ける者、そしてフリースローに取り組む者。全員が平常心で望んでいるように見えたが、トレード期限を3時間後に控え、多くは気が気でなかったはずだ。

208センチのシューターであるダービス・ベルターンスはこの4ヶ月でNBAを代表する外からの脅威となり、ここ数週間リーグを代表する他の選手と共にトレードの噂に名前が浮上していた。

「せめて練習が午後3時までやっていれば、あまり意識する必要がなかった」とベルターンスはいう。

だが数時間後、期限が過ぎ去りベルターンスは正式にウィザーズに残留することとなった。トミー・シェパードGMいわく他チームからは多くのオファーがあったようだった。

シェパードGM「彼をチームに残したいという気持ちは変わらなかった。」

10 月30日にベルターンスの存在を初めて間近で見たウィザーズファンに愛され、ロッカーでも貴重な存在となった。両チーム合わせて317点が入ったヒューストン・ロケッツとの試合ではスリーポイント成功率6/9 (.667)を含む21得点。今季多く見せている爆発的なパフォーマンスの1つとなった。

毎試合途中から出場する際には観客からの大声援が送られる。ウィザーズのスコット・ブルックスHCは最近ベルターンスがオフェンス全体にスペースを与える「引力」だと語った。日曜日のグリズリーズ戦に敗れた後、ウィザーズのオフェンスは終盤に滞ってしまい、それに対して試合後にブラッドリー・ビールが挙げたシンプルな改善策は「もっとベルターンスにボールを回すべき」と語った。

ベルターンスはスリーポイントを連発する姿勢ではなく、その安定感でファン、コーチ陣、チームメイト達の心を掴んでいる。10月のロケッツ戦でのパフォーマンスとは別にホーネット戦では32得点、そしてシクサーズ戦では1つのクォーターだけでスリーポイント6本成功を含むパフォーマンスで相手をも魅了してきた。

1 試合平均8本以上のスリーポイントのアテンプトを記録している選手で確率が40%以上なのはリーグで1人のみ。ベンチ出場の選手としては最も優れたシューターであり、ベンチから1試合4本以上のスリーポイントを沈めたのが19度。今季10度以上記録した選手は他にいない。

チームトップの1試合平均3.5本のスリーポイント成功、8.4本のスリーポイントアテンプト、そして42.4%のスリーポイント成功率。トレード期限翌日、そしてウィザーズにとって今季50試合目の2月7日のダラス・マーベリックス戦ではスリーポイント5本成功。今季合計を149本として、最初の50試合ではチーム史上最多記録となった。12月後半から1月序盤に掛けて、四頭筋の痛みにより9試合を欠場したにも関わらず記録を更新した。

絶好調だった前半戦は終わるが、NBAを代表するシューター達にとって最も大きなステージの1つであるオールスター・ウィークエンドのスリーポイント・コンテストの舞台に上がる。NBAシーズンの中で最も注目が集まる夜の1つであるこの日、70秒間でベルターンスが何本のスリーポイントを決めるかに多くの目が集まる。普段とは違った注目度とプレッシャーが押し寄せる中、ベルターンスは考え過ぎずにアプローチしていく心構えだ。

「戦略としては全てを決めること。それが打ち立てる戦略だ。そこに近づくことが出来れば、より良い結果となる」と今週初めに収録した「オフ・ザ・ベンチ」のポッドキャストで語っている。

土曜日のコンテストは例年と比べて違ったルールとなる。今年の出場者は27本を打つのに70秒が与えられ、例年の60秒での25本を上回ることになる。10秒と2本が追加。それはスリーポイントラインの6フィート後方に設置された「MTNデューゾーン」の2台から3得点分のボールをそれぞれ放つことになる。リーグ全体としてスリーポイントレンジが広がっている中での新ルールとなるが、ベルターンスにとっては大歓迎なはずだ。

「(ルール変更は)気に入っている。私以外にも深いところから放つのが好きな選手はリラードやトレイ・ヤングなど数人いる。その分、追加の6点を奪うには有利な立場にいる。どれだけ楽に打てるかはわからないが、その2本は非常に大きな意味を持つことになる。」

この2本は1本の台分に値するとベルターンスはいう。そしてスリーポイント・コンテストに対するアプローチは他の試合と変わらない。2本連続で外さないことだ。

「1本外した後、次は外せない。次は絶対に決めないといけない」とベルターンスはいう。

連続ミスを避け、数本連続で決めることが出来れば良い位置に付けるのではないかと自信を持つ。

ベルターンスにとってこのオールスター・ウィークエンドはブレイクした前半戦の締めくくりになる。相手チームも彼を警戒するようになったが、まだ全米中のファンは彼の事を正確には理解していない。土曜日は勝っても負けてもNBAの中で彼の名前は更に知れ渡るだろう。後半戦は注目された存在として挑むこととなり、もうベンチから出場してくる ワシントンの秘密兵器ではなくなる。

ベルターンスは自分が立つ舞台の大きさとその価値を理解している。ラトビアで過ごした幼少時代、早朝に起きてオールスター・サタデーを見ていたことを話している。2000年のビンス・カーターのダンクコンテスト優勝、最近ではアーロン・ゴードンとザック・ラビーンの対決、そしてスキルズ・チャレンジではちょうどNBA入りする1年前に同じラトビア出身のクリスタプス・ポルジンギスの優勝が記憶に残っているという。

そして今度はベルターンスが自分とラトビアの名をオールスター・ウィークエンドの歴史に刻むことができる。

「スキルズ・チャレンジではもうポルジングスが優勝しているので、私の目標はスリーポイント・コンテスト制覇。もしかしたら5・6年後にはラトビアから身体能力に優れた選手が登場して、スラムダンク・コンテストも優勝するかもしれないからね」とベルターンスは土曜日の決戦に意気込む。