ヒートが遂に王手!
マイアミ、6月18日:
ドウェイン ウェイドがマイアミ ヒートの悲願の優勝まであと1勝に導くとともに、ダラス マーベリックスを完全な窮地に陥らせた。43得点とまたしても素晴らしいプレイを見せたウェイドは、オーバータイム残り1.9秒に2本のフリースローをきっちりと決め、大事なファイナル第5戦、101-100と劇的な逆転勝利をもたらした。
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終盤のアンストッパブルな活躍で、ホームでの3連勝をもたらしたドウェイン ウェイド
Jesse D. Garrabrant/NBAE/Getty Images
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「今日の試合は自分が関わってきた中でも最も素晴らしいゲームの一つだった。全員がビッグショットを打ってくれた」と喜んだヒートのパット ライリーコーチは、コーチとして5度目のリング獲得が目前となった。3連勝をもたらしたウェイドも「目標達成まであと1試合、ロードで勝たなくてはいけない。大きなチャレンジとなるが、このチャレンジのチャンスを手にできて興奮している」と笑顔を見せた。
だがこの第5戦の勝利はウェイドの力なくしては不可能だった。第3戦でも42得点を叩き出して大逆転勝利をもたらしたウェイドだが、今日の試合ではそれを上回る奮起を見せた。序盤こそスロースタートだったが、全体で28本中11本のショット、25本中21本のフリースローを成功させた。反対にマーべリックスは何度も手中にしかけた勝利を、最終盤フリースローと大きな戦術ミスで逃してしまった。
「非常に厳しいゲームだった。自分は50分プレイしたが、コート上では平気だった。だが今は少し疲れを感じる」とウェイド。ウェイドのフリースロー25本はマーべリックス全体のフリースロー数と同じ数となり、成功数はファイナル新記録となった。ディフェンダーが何人いても、ディフェンスの隙間を見つけ出し、切り裂いて進んでいった。
「それこそ彼の武器だ。大学時代しかり、現在もそうだが、おそらく将来もずっとそうあり続けるだろう。ディフェンスが与える状況を読むが、向こうがペナルティにあるときは特に賢いプレイをする。状況をものともしないでバスケットに攻め込む」とヒートのパット ライリーコーチも驚嘆する。
第4戦でフレグラントファウルを犯したジェリー スタックハウスが出場停止になったマーべリックスは、“ハックアシャック'戦法”を含むあらゆる戦術を駆使したが、あと1点足らず大事なゲームを落とした。規定時間と延長の終わり両方ともリードしていたマーべリックスだったが、ウェイドを止めることができなかったことが最大の敗因となった。ウェイドは第4Q 残り2.8秒にバンクショットを決めてオーバータイムをもたらし、延長最後には数人のディフェンダーを潜り抜け、ファウルをもらった。
残り9.1秒、ダーク ノビツキーがシャキール オニールの上からジャンパーを決めて、マーべリックスが100-99と逆転。タイムアウト後、ヒートはバックコートまで下がったウェイドにスローイン。ウェイドはライトサイドで4人のディフェンダーを抜き、ノビツキーからファウルを誘った。「自分に向かって2、3人来ていたようだった。少しでもスペースを作ろうとし、自分のクィックネスを使って抜くことができた。ジェイソン テリーを抜いたところで、何とかバスケットへの進路を見出せた」とウェイド。「自分はファウルをしてないと思ったが、審判は彼にフリースローを与えた。自分には厳しいコールだったよ」とノビツキーは納得いかない様子だった。
ウェイドが最初のフリースローを決めて100-100の同点とした後、マーべリックスのエイブリー ジョンソンコーチはウェイドの2本目の試投の後、最後のタイムアウトを請求するしぐさをした。だがジョッシュ ハワードが直ちにタイムアウトを要求したため、マーべリックスはウェイドが2本目を決めた後、ミッドコートからスローインできなくなった。
「ハワードがレフェリーのジョー デローサのところへ行き、一度ならず二度もタイムアウトを請求した」とレフェリーのジョーイ クロフォードは説明。「だから我々としてはタイムアウトをコールせざるを得なかった。それだけだ」と言う。「審判がそう言ったとしても彼が言ったことだ。だが自分は二度もタイムアウトを請求してはいない」と怒ったハワードはコメント。「誰にも何も言ってもいない」。
既にテクニカル ファウルを1つ取られているジョンソンコーチは激しく抗議したが、認められなかった。「[NBAに20年も30年もいる人間だったら、フリースローの間にタイムアウトを取るなんことはしたくないことだと知っている。だからそれが伝わらなかったことにあきれてものも言えない]」とジョンソンコーチは怒り心頭だった。
自チームのバスケットの下からスローインを余儀なくされたマーべリックスは、デビン ハリスが15mのショットを打ったが届かず、自ら墓穴を掘った形でホームに戻ることになった。「第6戦は怒りをコントロールして臨まなくてはならない」と、シリーズを通じて最も安定した力を発揮しているガードのジェイソン テリーは次戦に期す。
ジョンソンコーチはここ2日間、判定の一貫性について強い不満をもらしていたが、効果はなかった。マーべリックスが38回ファウルを取られたのに対し、ヒートはわずか26回しか取られず、49本のフリースロー中32本を決めた。
シャックは18得点、12リバウンドを記録したが、フリースローラインでもかなりの時間を使った。第4Qには故意に3度もファウルされ、全体で12本中2本しか決められなかった。「本当に決めたかった。手を離れたときはいい感じだったのだが、入らなかった」と言うシャックを、ヒートはファウルされないために何度か下げなければならなかった。
マーべリックスではテリーが35得点、ハワードも25得点と大健闘したが、2人ともクィックスタートを切ったもののクラッチタイムに本領発揮とはならなかった。テリーは最後8分少々に1本も決めることができず、ハワードも第4Qとオーバータイムは同じ有様に終わった。
マーべリックスはスタックハウス出場停止という厳しい状況を乗り越え、リバウンドは42-33と上回る奮起を見せた。ノビツキーの19本中8本の20得点というまたしても平均以下のゲームも切り抜けたが、ウェイドの奮起を抑えることができなかった。「ウェイドは素晴らしいプレイをしている。うちとしては色々な手立てを講じているのだが」とジョンソンコーチは嘆いた。それに対してウェイドは「目指すところ、つまり優勝に辿りつきたいのなら、このゲームでは本当に強い意志をもたなくてはいけないんだ」と心意気を述べた。
2勝2敗のタイで迎えたこの第5戦、試合は第4戦で最後活躍できなかったハワードが序盤に6得点をあげて11-5のスタートをもたらし、テリーと共にチームの前半最後の21得点をマークした。第1Qを24-21と逆転して終えたヒートに対して、スタックハウスのプレイタイムをもらったマーキス ダニエルズが第2Q序盤にこのシリーズ初の得点となる3ポイントを決めて30-31と追い上げた。そこからテリーとハワードがコントロールを開始。第2Q最後の6分間にテリーは1スティール、レイアップ、ジャンパー2本、3ポイント2本の12得点。ハワードもハムストリング筋を痛めながらも、ジャンパー2本、自身のミスをフォロー、3ポイントプレイで9得点と奮起した。
一方、ヒートはウェイドを生かすことができず、前半最後の10本のショットのうち9本をミスし、アメリカン エアラインズ アリーナのファンからはブーイングが聞かれた。11点差をつけられた試合を、ジェイソン ウィリアムスがようやく3ポイントを決めて43-51まで追い上げて前半を終了した。
第3Qに入ってもヒートはフリースローを打ち続けたが、ウェイドが調子を上げるまで挽回することはできず。テリーの2本のジャンパーでマーべリックスが71-63とリードしたところから、ウェイドが奮起した。自身のジャンパー2本で応戦し、コートの端から端までのパスを通してジェイムス ポージーの3ポイントにつなげて、70-71と1点差に追い上げて第4Qに突入した。
第4Q 最終場面、ウェイドは3ポイントプレイで87-88と追い上げ、ジャンパーで89-88と逆転。さらにもう1本ジャンパーをねじ込んで、残り1分8秒には91-89と3点リードとした。だがノビツキーもその19秒後にジャンパーを返して91-91の同点に。「ウェイドが信じられないゲームをして、自分を救ってくれた。彼に1つ借りがあると話した」とシャックも話す活躍だった。
しかしノビツキーがディフェンダーを引きつけて絶妙なパスを出したエリック ダンピアーが、残り10秒にダンクを決めてマーべリックスが93-91とリード。だがウェイドが力強いドライブをかけてバンクショットを決め、残り2.8秒に再び同点とした。こうして第5戦は昨シーズンのファイナル同様、それぞれのホームで2勝した後、延長戦にもつれ込むこととなった。
延長戦はウェイドのバンクショットで95-93とヒートリードで始まった。ハリスのジャンパーでマーべリックスも残り2分25秒に97-97の同点とし、ダンピアーの2本中1本のフリースローで98-97と残り1分41秒には1点リード。さらにリードを広げるチャンスがあったが、ハワードが残り54秒にフリースローを2本とも痛恨のミス。チームは最初の18本のフリースローを決めたが、最後は7本中3本しか決めることができなかった。
ゲイリー ペイトンが残り29秒に左手でショットを決めて99-98と逆転し、シリーズ2度目の決勝打となるかと見えた。だがディフェンダーに囲まれたノビツキーが難しいショットを沈めて100-99と再逆転に成功。しかし残り1.9秒にウェイドにフリースロー2本決められて、マーべリックスには無念の敗退となった。
2連勝と勢いに乗ってマイアミに乗り込んだマーべリックスだったが、まさかの3連敗を喫してホームに戻ることとなった。2勝3敗と王手をかけられたファイナルシリーズ、ホームで2勝するべく最後の力を振り絞らなくてはならない。3勝2敗と王手をかけながらサンアントニオ スパーズに第6戦をものにされ、運命の第7戦を延長の末に制したマーべリックスが再び本領発揮できるのか。それともヒートが敵地で勝利して悲願の初優勝を飾ることができるのか。運命の第6戦は2日後となる。









