Miami 98, Dallas 74
ウェイド&ヒート、マブスを圧倒
2勝2敗のイーブンに!

マイアミ、6月15日:
ドウェイン ウェイドの膝はなんら問題ないように見えたが、第1、2戦を圧勝したダラス マーベリックスの精神力が今度は大いに問われることとなった。ウェイドが36得点とまたも爆発し、マイアミ ヒートがダーク ノビツキーを始めとするマーべリックスを封じて98-74と圧勝。ファイナルシリーズを2勝2敗のタイに遂に戻すことに成功した。

 
 
第4戦を圧勝し、タイに戻して喜ぶヒートの面々
Jesse D. Garrabrant/NBAE/Getty Images
シャキール オニールも17得点、13リバウンドとこのシリーズ最高のプレイを見せたヒートは、メンタル、フィジカル両面でタフさを復活。第1、2戦で屈辱的な敗退を喫した後、第3戦で劇的な逆転劇をものにしたヒートは、この第4戦で最もいいディフェンスでマーべリックスを機能させなかった。「強い意志力で第3戦の勝利をものにし、少し流れに乗れた。第4戦を圧勝したこの勢いを何とか持続させたい」とシャックはコメントした。

強力なオフェンスでここまで快進撃を続けたマーべリックスだが、この第4戦は全体でわずか31.6パーセント(79本中25本)のシュート成功率に抑えられ、試合が進行するにつれて事態はさらに悪化した。ヒートのフィジカルなディフェンスに翻弄されて、しばしばジャンプシュートを打っていったが決めることができず、第4Qはファイナル新記録となるわずか7点に終わった。「相手チームがどんどん攻めてくるのに、うちが十分な反撃ができないとは、本当にがっかりした」とマーべリックスのエイブリー ジョンソンコーチも失望を隠せなかった。

ここ2戦で計56得点をあげたマーべリックスのスーパースターフォワード、ノビツキーは、序盤調子に乗ったかと見えたが失速し、復調することはなかった。14本中わずか2本のショットに終わり、後半は1本も決めることはできず。フリースローラインに立つたびに「デイビッド ハッセルホフ」(アメリカの俳優、歌手でドイツで大人気。ノビツキーがフリースローを投げるとき、彼の歌を口ずさむとインタビューで答え、お互いにファンであることから)のプラカードをふられ、名前を連呼された。「ヒートはシリーズを通して執拗なディフェンスをずっとやっている。自分にぶつかってきてフリースローラインに立たせた」とノビツキー。ジョンソンコーチも「ヒートはダークに執拗にマークし、動きが取れないようにさせた」と話した。

ノビツキーにとっては16得点、9リバウンドと厳しい結果となった。さらに第3Qにはシャックのファウルで床に激しく倒され、第4Qには3ポイントを放った後、シャックの足に着地して左足首を捻挫と散々な結果に終わった。「このスポーツではそういうことはしょっちゅう起こり、大したことではない」と、これまでも足首の捻挫をおしてプレイをしてきたノビツキーは話した。

ノビツキーを抑える素晴らしい働きをした控えのフォワード、ジェイムス ポージーは、ファウルトラブルに陥ったウドニス ハスレムに代わり、15得点、10リバウンドをあげる大きな貢献をした。「我々はノビツキーに厳しいプレイをさせたかった。素晴らしいプレイヤーで多くのショットを打つことは分かっている。だからいいリズムに乗せてスィートスポットに行かせたくなかった。ファウルを取られないですべてをやろうと心がけた」とポージーはほくそ笑んだ。ウェイドも「ポージーが得点、リバウンドと積極的にプレイし、チャージングも取ってと、信じられないプレイをしてくれた。見ての通りだ」とチームメイトの奮起を喜んだ。

ウェイドはたとえ第3戦で痛めた左膝に痛みがあったとしても、それを全く感じさせないプレイを披露。23本中13本のショット、9本中8本のフリースローを決め、コートの好きなところから打っていった。前半だけで24得点と爆発し、ヒートは54-44とリードして折り返した。「僕はただリズムに乗ったんだ。リズムに乗るプレイヤーだ。ダラスでの2戦は調子に乗れなかったが、今はそうではない。ディフェンスが来る前に察知することができるので、止まってジャンパーを打つか、ゴールにアタックするんだ」と言う。「ウェイドに最悪な形でやられた。うまく守れなかった」とジョンソンコーチはまたも脱帽した。

ヒートにとってはマーべリックスを守るのになんら問題はなかった。ジョッシュ ハワードを8本中1本の3得点、ジェリー スタックハウスも18本中6本の16得点に抑え、特に最終クォーターはチーム全体で18本中わずか2本(うち3ポイントは8本中0本)の7点と、1998年6月7日のシカゴ ブルズとのファイナルの試合でわずか9点に抑えられたユタ ジャズの記録を下回る最低記録に終わらせた。「うちはもっといいシューターのチームだ。全体で31パーセントに終わるチームではない」とスタックハウスが弁明するほど拙い攻めに終始した。

一方、ヒートはアントワン ウォーカーも14得点と援護し、全体で51.5パーセント(66本中34本)のシュート成功率を記録。プレイオフに入ってのホーム成績も10勝1敗とし、強いヒートを復活させた。2勝2敗のタイに戻したヒートは、両チームとも王手をかけることのできる重要な第5戦を現地18日(日)に同じくホームで行う。1985年に現行の2-3-2方式に変更になって以来、ホームで真ん中の3ゲームを3連勝したチームはNBAの歴史上1チームしかいない。「これでダラス同様55日目となった。あと長引いても8日だよ」と、ヒートのパット ライリーコーチもプレイオフの残された日々を数える。

マーべリックスではチームの不振にあってジェイソン テリーがチームトップの17得点をあげたが、チームはプレイオフに入って2度目の2連敗を喫した。最初の連敗はウェスタン カンファレンス セミファイナルの第5戦と6戦を落として3勝3敗とされたが、ロードのサンアントニオでの第7戦に勝利して、ディフェンディングチャンピオン、スパーズの壁を遂に越えた。「我がチームはシーズンを通して精神的にずっとタフにプレイしてきた。サンアントニオでの第7戦でワールドチャンピオンを倒したチームなんだ」と、ジョンソンコーチも復活を期待する。

試合前にウェイドが第3戦で痛めた左膝のMRI検査を受けたことを否定したライリーコーチは、「ドウェインは確かに負傷している」と話した。だが試合は、そのウェイドが最初の7分少々で14得点もあげる好調な滑り出しを見せ、マーべリックスにとっては厳しいスタートとなった。「チームメイトがフロアーにうまく広がり、いい場所にいる自分にボールをくれたから決めることができた」とウェイド。「ウェイドが素晴らしいプレイを続けている。第1,、2戦にうちがやったことに対してアジャストしているのは確かだ」とノビツキーも認めた。

第1Q、シャックとハスレムが早々とファウルトラブルに陥り、ヒートはスモールラインアップを取らざるを得なかったが、それが功を奏した。ポージーがノビツキーに執拗なディフェンスを繰り返すとともに、ショットも2本決めて30-22のリードに牽引。スタックハウスの3ポイントで25-30として第1Qを終了したマーべリックスだが、絶好調のヒートのディフェンスの前に自慢のオフェンスが失速。ある1つのボール保持では6本外し、前半を34パーセント(41本中14本)のシュート成功率という拙い攻めで、44-54と11点リードされて折り返した。

第3Qに入ってもウェイドが序盤に3本連続決めて65-50のリードをもたらしたのに対し、マーべリックスは不発を続けた。残り6分29秒には速攻でダンクに行くシャックに、スタックハウスが止めようと激しいフレグラントファウルを犯し、シャックはカメラマンに突っ込んで倒れた。ライリーコーチは心配してコート上に飛び出してきたが、当のシャックは「家に帰ったら娘たちの方がもっときついタックルをしてくる。ああいう当たりを食らっても実際は平気だった。ジェリーよ、ありがとう。感謝しているぜ」と軽くいなした。そのフリースローを2本とも決めたシャックに続いて、ウェイドもフリースローを2本沈めて72-52とこの試合初の20点リードを奪った

シャックが4つ目のファウルを取られて残り2分59秒にベンチに下がると、マーべリックスも8-0と反撃して67-78と11点差に追い上げて最終クォーターに突入。だが第4Qもショットミスを連発し、オフェンスは崩壊した。「チーム一丸となって、もっといいプレイをしなくては駄目だ」とジョンソンコーチも嘆くばかりだった。

3日後の第5戦でヒートが勝利して王手をかけるのか。それともマーべリックスが反発して勝利し、王手をかけてダラスに戻ることができるのか。これで全くの互角となったファイナルの行方は、まだまだ激闘が続きそうだ。