シアトルからラスベガスへは車で移動。13日夜、途中で立ち寄ったサクラメントでスポーツニュースを見ていると、チームの移転話がトピックスになっていた。
画面の中では、TVリポーターが、キングスのオーナーの一人、J・マルーフ氏に問いかける。
「ラスベガスに移転するつもりは?」
対してマルーフ氏は、「そんなつもりはない」と答えたが、笑顔の裏に隠されたものがありそうで、額面通り受け取ったファンは少なかったに違いない。
昨年11月、サクラメント市からは、新アリーナに対する支出を認めないとの判断が正式に下ったばかり。
マルーフ氏は、「まだまだ粘り強く、交渉を続ける」としているが、NBAのチームを持たない街からは、移転を促すような“誘い"が殺到している状態だそうだ。
その一つが、今回のオールスター・ゲームが行われている、ラスベガスとされる。実は、マルーフ家はラスベガスにホテルを所有。冒頭のTV中継も、そのマルーフ家が所有する、「The Palms」で行われた。その「The Palms」では今回、選手のインタビュー・セッションが行われ、選手の宿泊先としても利用されている。
もはや、ラスベガスとマルーフ家に強いつながりがあることは明らかで、だからこそサクラメントのメディアも、今回のオールスターを機に、「移転話が盛り上がるのではないか」と、懸念をしているのだろう。
キングスが移転するかどうかは別として、「ラスベガスにフランチャイズを」という声は、年々高まりを見せている。
ラスベガス市も誘致に積極的で、NBAだけでなく、大リーグにも対しても、興味を示す。
NBAのデビッド・J・スターンコミッショナーは、
「ラスベガスでNBAを賭けにしたギャンブルが行われている限り、NBAのフランチャイズを作るつもりはない」
との立場だった。今回のオールスターは、
「オールスターに関するあらゆるギャンブルを行わないよう、街が各カジノをコントロールできるなら」
との条件で、開催を決めたという。
その要望に応えたラスベガス市に対しては、かつては受け取りさえ拒否したという、フランチャイズ誘致に関する企画書の提出も認めたそうだ。加速とまでは言わなくても、このオールスターが成功すれば、誘致に向けた動きは具体化に向けて、歩みを始めるのかもしれない。
レイカーズのコービー・ブライアントは、開口一番、
「WHY NOT?」
何の不都合があるんだ、とでも言いたげである。
スラムダンク・コンテストで連覇を目指すニックスのネイト・ロビンソンは、「悪くないアイディア」と頬を緩め、「年に1回か2回、ここに来ることが出来るのは、遠征の楽しみが増える」と、早くも期待を膨らませていた。
もちろん、ギャンブルの他にも、問題はある。
若い選手らが、ギャンブルにのめり込むことはないのか?
カジノのないホテルもあるが、多くのホテルは、カジノを横目に見つつ、あるいはカジノを横切って部屋にたどり着く構造だ。
その誘惑に負けて、試合の前日、朝までカジノにはまる選手がいるかもしれない・・・。
ソニックスのレイ・アレンは、NBAのフランチャイズをラスベガスに作る上で、「選手側に何の問題もない」と話した。しかし、例えば、ギャンブルに狂う若い選手を目にしたとき、どう対処するのか? そんな問いを投げ掛ければ、こう答えている。
「確かに特殊な街だと思う。でも、ミルウォーキーのダウンタウンにだって、カジノはある。ニューヨークやロサンゼルスに行けば、ナイトクラブがある。だからといって、若い選手に、カジノで遊ぶな、クラブに行くなとは言えないだろ?あくまでそれは、選手の責任だ。それで潰れるようなら、それまでだから」
なるほど、その通りだ。
さて、どう表現していいのだろう。街には、オールスターのバナーが溢れ、歓迎ムードは、週末に入って、いっそうの高まりを見せ始めた。
メインのラスベガス通りは、車で溢れている。裏通りでも、渋滞が激しい。
街を歩けば、オールスターのチケットを求める人が、「NEED TIX(チケットを売ってくれ)」とのプラカードを掲げて、いまも彷徨っているはずだ。
オールスターは特別とはいえ、ブライアントの「NBAは、世界でもっとも面白いショーなんだ。そういう意味では、バスケットボールとラスベガスはベストマッチだ」という言葉が理解できる。
この街に、NBAがやって来る日は、近いのかもしれない。
なおこの日、ルーキー・ゲームに先立って行われた選手とのインタビュー・セッションでは、明日のイベントに出場予定のスコッティ・ピッペンが現役復帰を宣言して、メディアを驚かせた。詳細は、NBA.comモバイルで。

















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