NBAはプロスポーツビジネス、つまりスポーツを生業とする商売である。豪華なアリーナを建設し、チーム運営のために多くの人員を雇う。アメリカのみならず世界中から超一流の選手を高額な年俸を支払って集め、30チームが年間82試合の激闘を繰り返し、まずはプレイオフに進出できる東西8チーム入りを目指す。4月中旬から始まるプレイオフのファーストラウンドから6月末のファイナルまで壮絶な戦いを続けて、16勝したただ1チームだけが優勝の栄冠を勝ち取ることができる。つまりビジネスとして最も成功を収めたことになる。
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ユタ・ジャズ一筋21年目の指揮を執るジェリー・スローンHC
Melissa Majchrzak/NBAE/Getty Images
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これほど過酷なビジネスのNBAにおいて、1988年12月9日にジャズのコーチを引き継いでから丸20年間継続して務め、21年目に入ったジェリー・スローンは本当に稀有な存在と言える。NBAの中でも同一チームで指揮した試合数は 12月9日の時点でスローンが1,613試合でもちろん歴代トップ。セルティックスを9度の優勝に導いた故レッド・アワーバックが1,122試合で2位。現役のコーチの中では4度の優勝を達成しているスパーズのグレッグ・ポポビッチが953試合で歴代4位となる。スローンは1度も優勝していないにも関わらず、北米メジャースポーツの中でも1つのチームの監督として最長年数を毎年更新し、66歳のこれから先何年もジャズのHCであり続けるのではないかと思われる。
コーチとして最高の名誉であるコーチ・オブ・ザ・イヤーも1度も受賞していないスローンだが、なぜ厳しいプロスポーツ界においてこれほど長期にわたってコーチ職を続けていられるのかは、その手腕を見れば明らかである。カンファレンス優勝2回、1988年から2004年まで16年連続シーズン勝ち越しはリーグ史上2番目となる最長記録タイ。コーチとして歴代勝利数第4位、プレイオフ勝利数第6位、12シーズン50勝以上を達成。今季11月7日にはサンダーを下し、ジャズで記念すべき1,000勝を達成し、1979-1982シーズンのブルズでのコーチ職も含めると1094勝717敗と気が遠くなる勝敗数を記録した。12月9日のウルブズ戦を制して20周年を勝利で飾ったが、相手のウルブズは前日コーチを解任し、4年で4人目のコーチを迎えたばかり。リーグでは20年間に223回目の新コーチ就任となった。21年目を迎えることがどれほど大変なことなのかは、スローン本人にしか分からないことかもしれないが、他のチームをみれば、いかに困難な仕事を毎日毎日続けているかがうかがい知れる。
今季は北京オリンピックの金メダリストの2人、PFのカルロス・ブーザーが11月19日に太ももを痛めて以来欠場が続き、PGデロン・ウィリアムスも左足首を捻挫して13試合欠場。他にも怪我人続出と苦しい状況が続く。だが12月17日には22点差を跳ね返してネッツを下し、16勝11敗とした。ディビジョン3位だが1位のナゲッツ(ウェスト2位)までわずか2ゲーム、ウェスト全体1位のレイカーズまでも6.5ゲーム差としている。昨シーズンは今季より熾烈なワイルドウェストとなっていたが、その中でリーグトップの37勝4敗のホーム成績をあげ、全体でウェスト首位のレイカーズにわずか3勝差の54勝28敗を記録して2年連続ディビジョン優勝を達成。プレイオフ・ファーストラウンドでロケッツを4勝2敗で下した後、セカンドラウンドでレイカーズに2勝4敗と敗れた。その前の年は9年ぶりにカンファレンス・ファイナルまで進出したが、スパーズに1勝4敗と敗退した。
1996-97、1997-98シーズンはカール・マローン、ジョン・ストックトンという殿堂入りが確実な2人を擁してファイナルに進出したが、いずれもマイケル・ジョーダン、スコッティー・ピッペン、デニス・ロッドマンというスーパートリオを中心に最強チームを作り上げた現レイカーズコーチのフィル・ジャクソンの前に屈した。去年のプレイオフでもまたジャクソンに敗れた。今季前人未到10度目のチャンピオンシップの栄冠を目指すジャクソンが輝かしい太陽だとすれば、未だ無冠のスローンは静かに、だが確実に光り続ける恒星に例えられるかもしれない。
ジャズのコーチとして21年目に突入したスローンだが、20年前の12月9日にコーチを受け継いだときには20日もつかどうか心配したと言う。初戦のマーべリックス戦を落とした後、9試合が終わって3勝6敗。クリスマスには2連覇中のレイカーズをホームに迎え、最早そこまでと観念した。だがその試合に勝ち、その後20年以上コーチの座を安泰としてきた。今季12月9日にウルブズに勝った後、「もう20年やれるのでは」と聞かれたスローンは、「もう20年だって?もう20分もつかわからない」と答えていた。スローンのコーチ職がいつまで続くかはもう神のみぞ知るという領域になっているが、少なくても1度は有終の美を飾ってリーグを去りたいだろう。その瞬間を見たいと願うファンは大勢いる。できれば長年の宿敵フィル・ジャクソンが指揮するレイカーズを破ってウェストを立ち上がり、悲願の優勝リング獲得というのが最高のドラマではないだろうか。
2月15日にフェニックスで開催される第58回オールスターの第1回ファン投票数が発表された。イーストではフォワードのレブロン・ジェイムス、ケビン・ガーネット、ガードのドウェイン・ウェイド、アレン・アイバーソン、センターのドワイト・ハワードがそれぞれ最多投票数を集めている。ウェストではフォワードにティム・ダンカン、アマレ・スターダマイヤー、ガードにコービー・ブライアント、クリス・ポール、センターにヤオ・ミンが順当に票数を伸ばした。1月22日のスターター発表まで投票は行われ、毎日1回投票できる。Forwards、 Guardsから2人ずつ、Centerから1人、addというボタンを押し、最後Validationというところに書かれた文字をそのまま右側の括弧に打ち込むと完了。実に簡単である。日本からも是非熱い思いを届けよう。投票はこちらから。

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