解雇されたにも関わらず、逆に、1年半に渡ってティンバーウルブスを率いたドウェイン・ケイシーの評価が高まっている。「あのチームを、よくまとめていたものだ」と。
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一切妥協を許さないというスタイルでウルブスを立て直したケイシー。
Ron Hoskins/NBAE/Getty Images
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トレードで動きを見せなかったチームに対して、ケビン・ガーネットは、「残念だよ。このチームはなんでこうなんだ」と不満を隠さず、来季一杯で契約を破棄して、フリーエージェントになることさえ示唆。再び可能性という言葉と使うなら、後者の方が確率は高まるかもしれない。
日本でもコーチ経験があるケイシーに話を戻すと、今季だけでなく、負け越した昨年ですら、一定の評価を得ていた。
2005年の10月からチームを任され、ディフェンスを中心になんとか基礎固めをしている時に、2006年の1月26日、チームは4対4というビッグトレードの引き金を引く。
かねてからトレードが噂されていたマイケル・オロワカンディ、ウォーリー・ザービアックらを放出して、セルティックスのリッキー・デイビスらを獲得した。
一般的には、ディフェンスを得意としないザービアックを放出して、デイビスを獲得したのは、正解と評価されてきた。「デイビスの方が、ディフェンスは上。得点力も十分カバーできる」とされた。
しかし、ケイシーはこのトレードに完全に賛成していたわけではないようだ。
「せっかくチームディフェンスのコンセプトが浸透してきたところで、なぜこれほどまでに戦力を入れ替えなければならないのか」が本音だったという。
彼は、新たなチーム作りを迫られる。しかしながら、シーズン中でもあり、何かもが付け焼き刃。結局、2月に3勝10敗と大きく負け越して、プレイオフ争いからも脱落した。
彼は今季、昨季のトレードで獲得したデイビス、マーク・ブラントらを生かすべく、新たなチーム作りに着手。それは形となり、結果に結びつきつつあった。
今年1月、最初の8試合で7勝1敗と勝ち越して、プレイオフ進出にも望みを繋ぐ。1月17日から4連敗して貯金を吐き出したが、ガーネットらを欠いた試合もあり、地元ファンの間にも、「仕方がない」との同情論があったそう。
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ガーネットに、勝つための非情さを伝えられなかったことが心残りであるとケイシーは話した。
Sam Forencich/NBAE/Getty Images
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今もシアトルに自宅を持つケイシーが戻った折り、シアトルの親しいメディアだけに真相を語った。
ことの経緯を、本人から直接聞いたシアトル・タイムズ紙のスティーブ・ケリー記者が教えてくれた。
「ひどい話だ。彼は1年半で3チームを任されたも同然。その功労者に対し、電話1本で解雇を告げるとは」
直接の原因は、1月19日のピストンズ戦でデイビスが起用法に腹を立て、試合途中でロッカーに戻った一件。チームにとってはこれが、「彼は、選手の信頼を得てない」と映ったようだ。
ただ1年前、ケイシーがのぞまないトレードでデイビスをセルティックスから連れてきたのはチームであり、もともと能力は高くとも、チームプレイヤーとは言えないデイビスとケイシーのそりが合わないことは、仕方がないことであったのかもしれない。
ケイシーは、実に厳しいコーチである。一切の妥協を許さず、チームプレイ、全力プレイを求める。それが出来ない場合には、主力であっても、交代を命じる非情さを併せ持つ。
もしかしたら、多少の融通性があれば、今もコーチを続けていたかもしれない。
彼は、ケリー記者に「悔しい」と話したそう。
解雇されたことではない。
「ガーネットは、なぜあんなにも、チームプレイヤーなのか。彼こそは、ゲームの終盤などで、ある意味自分勝手にプレーしても構わない。それを許しているのに、それをしない。彼が、リーグのトッププレイヤーになり切れないのは、どこかに優しさがあるからかもしれない。自分がコーチをしている間に、それを教えられなかったことが悔しい」
ケイシーにはいずれ、チャンスが回ってくるだろう。今回の経験から、彼も多くのことを学んだはず。彼が、10年以上もアシスタントコーチを務めたソニックスのヘッドコーチのポジションが、シーズン終了後には空く可能性もある。


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