昨季からなくなってしまったが、それまで長年に渡って、「NBAオールインタビューチーム」と言うのが、レギュラーシーズン終了後に発表されていた。
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バティエの能力は数字に表れない部分で発揮されている。ゲームを理解しているバティエならではの貢献が、メンフィスの支えているのかも知れない。
Lisa Blumenfeld/Getty Images/NBAE
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ちなみに、2003-04シーズンのファーストチームは、レイ アレン(30票)、ジャーメイン オニール(22票)、エルトン ブランド(19票)、スティーブ ナッシュ(17票)、ブレント バリー(16票)。セカンドチームは、サム カセール(13票)、カール マローン(11票)、マイケル レッド(11票)、リック フォックス(10票)、シャキール オニール(10票)だった。
特に異論はないが、ここにクリス ウェバー、トレイシー マクグレディ、グラント ヒルらが入ってもいい。彼らはいずれも、記者に対していつも誠実に接してくれる協力者である。
ただ先日、そんな協力的な選手の中でも、別格の選手に出会った。グリズリーズのシェーン バティエー。初対面にもかかわらず、10分以上も1対1のインタビューに時間を割いてくれたのだ。
俗にいう試合後の囲み取材は、聞きたいことを聞いて、それに答えてもらうだけ。選手も、それは仕事の一部として理解しているので、答えを拒否されることはない。
ただ、どちらかと言えば、目も合わせない、上辺だけのやり取りになり勝ちなのが残念だ。
そこで、ユーモアに富んだ受け答えが出来るか、例えば試合前や、囲み取材が終了した後もなお、協力的かどうか。そこに、インタビューチームに選ばれるか選ばれるかいかの分かれ目がある。
ただ、選手とて見知らぬ記者に対しては警戒するもの。1対1のインタビューの難しさは、そこにある。少しずつ質問して、顔を覚えてもらい、深い話に入っていくのが流れ。しかしアウェイの選手だと、年に会っても2〜3回。そうそう、顔見知りになって、内容のある会話を交わすことは難しい。
そういう意味でも、バティエのケースは、今までにないパターンだった。年の暮れ、12月31日にシアトルを訪れたグリズリーズ。試合前のロッカーへ行き、まずはバティエに尋ねた。
「少し話を聞けますか?」すると彼は、気まずそうな顔を返した。直感的にダメかと思ったが、時計に目を向けて言う。
「ゴメン、45分からコートで練習することになってるんだ」時間は、4時44分。1分しかなかった。「分かった」と返せば、「試合後なら、いいよ」と笑みを向ける。その言葉を信じ、その場を離れた。本音では「ダメかな」と思いながら。
試合後というのが、実は厄介。選手は早く帰りたいから、どうしても質問も答えも、口調が早くなる。また、原則として聞く内容は試合のことに限られるので、試合以外の質問は、非常に切り出しにくい。そういう質問をしたい場合、囲み取材が終わるのを待って、1対1に持ち込めればいいが、その頃、選手は着替えも終え、お帰りモード。そんな中で、ゆっくりとインタビューも出来ない。
正直、その試合で「活躍しないでくれ」と願った。活躍すれば、試合後、多くのメディアに囲まれる。質問するチャンスはないと思ったからだ。が、バティエはその試合で19点を挙げ、7本中の5本の3ポイントを決める活躍。思わずプレスボックスでため息を漏らした。
試合後、ロッカールームに入る。メディアの多くは、当然のようにパウ ガソルとバティエに集まった。ところが、以外にも他の記者は淡白で、両選手に簡単な質問をしただけで引き上げていった。あっけに取られていると、バティエのほうから声を掛けてくれた。
「試合前はすまなかったな」
ここがまず違う!
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2001年のドラフトで共にグリズリーズ入りしたパウ ガソルとバティエ。二人が日本で雌雄を決する事はあるのか。
Joe Murphy/NBAE/Getty Images
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「まだ、正式ではない。コランジェロ(サンズCEO。代表チーム責任者)から電話がないんだ。漏れたかもしれない(笑)」
この正直さにも、驚き。
世界選手権の話をしているうちに、バティエの隣で足首をアイシングしているガソルにも話を聞きたくなってきた。彼はスペイン代表。日本に行くはずだ。バティエを切り上げ、ガソルのところに行きたい…。そんな思いが、表情に出ていたのかもしれない。すると、なんとバティエがガソールに話を振ったのである。
「お前は出るんだよな?」隣でこちらのやり取りを聞いていたガソルはどんどん話に入ってきて、世界選手権と五輪の違い、ヨーロッパとアメリカでは意識が違うことなどを話し始めた。それは、頬が緩むほど濃い内容。
ガソルは、「日本に行きたいから、行ってみたい。おいしい寿司屋を教えてくれ」なんていい出すし、バティエは正直に「オリンピックなら出たい。世界選手権は…」と揺れる胸の内を明かした。
もう十分と思い、録音を止めた後も話は続く。他の選手はとっくに着替え、もうバスに向かっているというのに、二人はまだシャワーも浴びていない。勝ったことを差し引いても二人は上機嫌で、礼を言って腰を上げれば、二人が揃って握手を求めてきた。
「日本に来たら、寿司屋を紹介する」という一言は、それほどまでに威力があったのか。
バティエは大学時代、超がつくほどのスーパースターではなかった。どちらかといえば、ジェイソン ウィリアムスらの陰に隠れた存在。NBAに入っても、どんな選手になるか読めなかった。しかし、言葉を交わして感じたのは、頭の回転の鋭さ。バスケットをよく理解しているし、人をひきつける魅力も持っている。グリズリーズのGM、ジェリー ウェストはこういう部分も見て、ドラフトしたのだなあ、と感じた。
1月10日、シアトルを訪れたグラント ヒルに尋ねた。バティエとは、大学の先輩、後輩に当る。暮れのやり取りを話せば、ヒルはそうしたバティエの性格を認め、ウエストの眼力も「正しい」と話した。
「それは、デューク大にまで遡るけど、コーチKはリクルート時点で、その選手のアスリートとしての才能だけでなく、人間性を見る。そうした部分が大きい。また、バスケットプログラムは本当に洗練されているから、そうした中で、人格も磨かれる。今の話、コーチKが聞いたら喜ぶだろうね」
冒頭の投票結果。バティエはセカンドチームも選ばれず、5票しか獲得できなかったが、その理由は明確。やはり、メンフィスというマーケットの規模が影響しているのだ。彼が仮に、ニューヨーク、ボストンなど、メディアの多いチームでプレーしていたらまた状況は違ったはず。
こうした選手が、ゲームでは誰もがいやがる仕事を一生懸命する。リバウンド、ディフェンス。「チームメートに持つなら、理想的な選手」。ヒルもそう言って、後輩の活躍を喜んだ。
バティエには、もう一度ゆっくり話しを聞いてみたいと思う。それが、日本で行われる世界選手権の舞台であれば、さらに素晴らしい。
ちなみに、個人的なNBA インタビューチームは、以下の通り。


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