今季のNBAは混戦が続き、地区トップからのゲーム差は、最大でスパーズ-ロケッツの9ゲーム差。シーズンの4分の1を終えてこの程度なら、まだまだどのチームにも、プレイオフの望みがあるといっていいだろう。例えば、まだわずか4勝のホークスだが、地区トップのヒートも12勝10敗と苦戦し、それがヘッドコーチ交代の要因ともなったわけだが(後述)、そのヒートとホークスの差は、7ゲームしかない。その逆転に現実味は薄いが、数字上ではどのチームも白旗を揚げるような状況ではなかろう(数字は12月14日現在)。
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攻守に優れたプレイヤー、ロン アーテスト。活躍の場をインディアナ以外に求めるのだろうか?
Sam Forencich/NBAE/Getty Images
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そんな中で公になったロン アーテスト(ペイサーズ)のトレード要求は、オールスターレベルの選手だけに、様々な動きの引き金になると見る向きもある。折りしも、カレンダーは12月15日を指す。NBAではこの日からいわばトレード解禁。各チームは、ようやくこの日から、オフにフリーエージェントで獲得した選手をトレードすることが出来る。この日を開幕から待ち望んでいたヘッドコーチらも少なくなく、契約の遅れから自身で選手補強に関わることの出来なかったニックスのラリー ブラウンHCなどは、「15日から、いろんな動きがあるだろう」と、含みのある言葉を数日前に残した。
アーテストは、そのニックス移籍を望む。ペイサーズのD・ウォルシュCEOは、アーテストのトレード要求そのものを当初は否定したが、12日になって一転、「そういうことになる」とトレード要求を認める発言をしている。ちょうどニックスには、アーテストの年棒と釣り合う(NBAでトレードを成立させる場合、両者の年棒がある程度マッチしなければならない。1対1でマッチしない場合は、複数の選手を絡めてそのギャップを埋めるのが普通)クェンティン リチャードソンがおり、当然アーテストが欲しいニックスはリチャードソンを柱に交渉すると思われるが、ペイサーズとしてはキングスのペジャ ストヤコビッチ(彼は、自身が持つ選手オプションを更新しなければ、このオフにフリーエージェント)が本命といわれ、トレードそのものは、複数のチームを巻き込んだ大きなものに発展する可能性を持つ。
冒頭でも触れたように、組織そのものに手を加えたのは、ヒート。シーズン前、スパーズに続く優勝候補と目されたヒートだが、現状はかろうじて地区トップに立っている程度。シャックの捻挫などもあったが、それでも期待された数字とは程遠い。そこで、2年前にヒートのヘッドコーチを辞任した名将パット ライリーの再登板となったわけだが、オフに獲得したアントワン ウォーカーらがチームに適応しているとはいえず、まだまだ改革は、これからが本番なのかもしれない。
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ルーキー時代にいきなりトリプルダブルをマークされるなど、将来を期待されたジェイ ウォリアムス。今季中の復帰は各チームの戦力分析の渦の中にある。
Jesse D. Garrabrant/NBAE/Getty Images
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さて、アーテストのほかにも、ブルズのティム トーマス、ナゲッツのアール ワトソン、ニックスのジェローム ジェイムスら中堅選手がトレード候補となっている。日本の場合、トレードにはネガティブなイメージが付きまとうが、アメリカではビジネスと割り切り、出場時間をもらえるならと、むしろそれを望む選手が多い。もちろん、放出にはそれなりの背景がないわけではないが、グリズリーズを放出されたボンジィ ウェルスなどは新天地キングスでかつての輝きを取り戻しつつある。その過程には裏があっても、トレードそのものを否定する声は少ない。
これからは、2月23日のトレードデッドラインに向けて、様々な噂が出ることだろう。後半に向けて選手たちはコートで戦い、GMらは水面下で駆け引きを続けることになる。メディアに煙幕を張りながら、時には相手を牽制する目的でリークして…。
実は、アメリカ人が喜ぶ裏の駆け引きは、プロスポーツを支える重要な要素でもあるのだ。




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