16分2秒。今季2番目に長い出場時間で残した数字は、4得点、4アシスト、2スチール、2ターンオーバー、1リバウンド。しかし、そんなボックススコアに表れる数字以上に田臥勇太は、インパクトを残した。
敵のベンチから、第3Qにはともにコートに立ったソニックスのレイ アレンは、目を細めている。
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レイ アレン、ルーク リドナーも認める田臥の実力。サンズやオフシーズンの経験が田臥を次のステージへと押しやっている。
Jeff Reinking/NBAE/Getty Images
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田臥が、「参考になる」と自身のホームページに書き記したルーク リドナーも、「彼のスピードはいいと思う。あのテンポでずっとやられたら、つくのは大変だ」と、試合後に言葉を残した。
ただ、田臥自身は、この日のプレーに満足しながらも、前半のプレーと後半のプレー内容に差があったことを反省している。
「前半出ていたときは結構自分のプレーができたんですけど、後半のあの短い間で、もうちょっとつなぎができれば良かったんですけど。う〜ん、ちょっと慌てちゃった部分もあったし……。あそこができてればというのはありました」
彼が振り返った「後半のあの短い間」とは、第4Qの中盤。残り9分59秒でコートに入った田臥は、76対77という接戦の中で自らを試すチャンスを迎える。しかし8分28秒、自らのミスショットのリバウンドをとったものの、直後のプレーでターンオーバー。6分15秒ではスチールからファーストブレイクを仕掛けたが、ゴール下でバランスを崩すようにしてターンオーバー。この2つのミスで、マイク ダンリービーヘッドコーチは田臥をベンチに下げた。
オフェンスリバウンドからのターンオーバーについては、「自分のミスです」と認めた田臥。2つめのスチールからのターンオーバーについても、
「逆にそういうプレーができたあとだからこそ、もう一回ボールを上に上げて、しっかりセットオフェンスしなきゃいけないなというのはあったんですけ ど…。何とかしなきゃという気持ちが先走ってしまった」
交代を告げられた田臥は、悔しさを隠せなかった。
「そうですね、もうちょっと仕事をやって交代したかったというのはあったんで・・・。ああやってコーチに信頼してもらって、ああいうとこで出してもらえるようになんないとPGとしては良くないと思いますんで、その辺は今後の課題ですね」
その課題に対しは、どう対応するのか? そこを問われた田臥はこうポジティブにコメントしている。
「ターンオーバーとか状況判断ミスもあったんですけれど、基本的には自分のプレーができていますし、すごくポジティブな感じで、こうやって、去年と違ってこれだけ出場時間をもらえているっていうところが全然違う。もう、やっぱりこれは経験を積んでいくしかない。試合に出て、いろんなことを学んでやっていければと思います」
さて、そんな田臥のロースター入りの可能性。去年よりは確実に自信を持ってプレーしているものの状況は微妙だ。この日16分プレーできたのもの、この日は先発PGのサム・カセールが休養日。第2PGのショーン・リビングストンは腰を痛めてプレーできない状態。従ってポイントガードは田臥とダニエル ユーイングの二人しかいなかった。カセールがプレーしてれば、田臥の出場時間は半分以下になっていたかもしれない。
さらに現状を説明すれば、最終的にはポイントガードの枠の問題ではなく、総枠の問題がでてきそう。トレーニングキャンプが始まった当初から、ダンリービ-HCは、ロースターには14人残すと話している。しかし、すでにチームには13人もの選手が契約でその座を保証されている。となると、残りの枠はあと一つ。その最後のスポットを田臥、ルーキーのボニフェイス ドング、ジャレッド レイナー、フレッド ビンソン、ロドニー ホワイトの5人で争うことになるのだが、経験的には5年目のホワイトが有力と言われている。
そうした視点で見れば、田臥のロースター入りはますます微妙なのだが、腰痛を抱えるリビングストンの復帰が予定よりも遅れている。開幕には間に合うと言われているが、その復帰スケジュールがさらにずれ込むようなら、田臥がロースターに滑り込むチャンスはある。
もちろん、その考え方でいくなら、リビングストンの復帰が田臥の去就を左右しそうなのだが、この日の試合を見たタコマ トリュビューン紙のフランク ヒュージ記者は、「マティーン クリーブス(ソニックスの3番手PG)よりもうまい。クリッパーズを放出されたとしても、チームを選ばなければロースターには入れるんじゃないか。例えば、ソニックスとか」と話した。
9月にラプターズからもオファーがあったことを伝えれば、「なんでそっちをとらなかったんだ? 2番手になれるじゃないか?」
このままいけば、確かにクリッパーズのロースター入りは微妙。ただ、これだけプレシーズンでプレー時間を与えられて十分アピールはしている。「他チームから声がかかるんじゃないか」というヒュージ記者の一言は、田臥のオプションが増えたことを物語る。
田臥の挑戦は、たとえクリッパーズのロースターから漏れたとしても、まだまだ続きそうである。



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